【美容皮膚科医監修】敏感肌、乾燥肌の人におすすめの日焼け止めの選び方や塗り方、ポイントについて
2022/07/02
敏感肌、乾燥肌の人は紫外線による刺激に敏感です。
紫外線によるダメージは皮膚バリア機能を低下させ、肌のうるおいがなくなり、敏感肌、乾燥肌を悪化させます。
ここでは、敏感肌、乾燥肌の人におすすめの日焼け止めの選び方、塗るときのポイントなどについてお話します。
目次
敏感肌、乾燥肌に紫外線が肌に与える影響について
敏感肌、乾燥肌の人は、皮膚バリア機能が低下しています。皮膚バリア機能とは、外的刺激からお肌を守り、お肌にうるおいを保持する機能のことをいいます。
皮膚バリア機能が低下すると、うるおいを保てなくなって乾燥し、外的刺激が肌の中に入り込んでしまうため、かゆみや赤み、かぶれなどさまざまな肌トラブルをおこしやすくなります。
敏感肌、乾燥肌の人は、この皮膚バリア機能がもともと低下しているため、紫外線による外的刺激によってさらにバリア機能が低下し、肌荒れ、乾燥がさらに進むことになります。
敏感肌、乾燥肌の人は、よりしっかりと紫外線対策をする必要があります。
敏感肌、乾燥肌がやっておくべき紫外線対策について
紫外線からお肌を守るためにはまずやっていただきたいのは日焼け止めを塗ることです。日焼け止めの他には帽子や日傘、サングラスなども一緒に使用して紫外線からお肌を守りましょう。
日焼け止めの成分には敏感肌、乾燥肌には刺激をおこす可能性がある成分もあるので、しっかりチェックして、自分のお肌に合うものを選ぶことが大事です。
敏感肌、乾燥肌におすすめの日焼け止めの選び方
敏感肌、乾燥肌には保湿力の高い日焼け止めを
日焼け止めのテクスチャーには、ジェル、ローション、乳液、クリームなどさまざまなテクスチャーのものがあります。ジェルやローションはのびがよくさらっとしているものが多いのでべたつきが気になる方には良いですが、あまり量を多く塗れず汗で落ちやすいのでしっかり紫外線をブロックするには不向きです。
乳液やクリームタイプは保湿力が高く、しっとりとお肌に水分を保持するので敏感肌、乾燥肌の人におすすめです。
夏は皮脂の分泌が増えお肌の水分量は増えますが、エアコンによって乾燥しやすい状態でもあるので、敏感肌、乾燥肌の人は夏でも保湿を忘れないようにしましょう。
また日焼け止めはしっかり十分な量を塗らないと紫外線防御力は期待できないですが、乳液やクリームはしっかり塗布できるという特徴もあります。
敏感肌、乾燥肌におすすめの日焼け止めの成分とは
日焼け止めの成分には紫外線吸収剤と紫外線散乱剤という2種類の紫外線防止剤があります。このうち紫外線吸収剤は紫外線を吸収し熱エネルギーに変える働きがあり、敏感肌の人にとってアレルギーをおこし、赤みやかぶれなど肌トラブルをおこすことがあります。
紫外線散乱剤はノンケミカルといわれ、酸化亜鉛や酸化チタンという成分が配合されており、紫外線を反射させる働きがあります。
お肌への刺激は少なく、敏感肌、乾燥肌の人は紫外線吸収剤が不使用なアイテムがおすすめです。
紫外線散乱剤はお肌に塗ると白くなりやすいという点がありますが、最近では白くなりにくく肌なじみが良いように開発された日焼け止めもあります。
また、普段のスキンケアと同様に香料や着色料などお肌に刺激となる成分を避けるようにし、低刺激性や敏感肌用の日焼け止めを選ぶようにしましょう。
敏感肌、乾燥肌の人は落としやすい日焼け止めを
日焼け止めのなかにはせっけんで落としやすいアイテムや、汗や水に強いウォータープルーフのアイテムがあります。ウォータープルーフの日焼け止めは海水浴などのレジャーや、汗をかきやすい日中外出時に最適ですが、日常的な使用は普段と同じ洗顔やクレンジングで落としきれない可能性があり、お肌にとって負担をかけてしまうかもしれません。
日焼け止めを落としきれていないと、お肌にとって刺激となり敏感肌、乾燥肌をさらに悪化させてしまいます。
また普段のクレンジングで日焼け止めがおちきっていない時は、オイルクレンジングなど洗浄力の強いクレンジングを使用してゴシゴシ擦る必要があるので、摩擦によって肌に負担を与えてしまいます。
洗顔による負担は敏感肌、乾燥肌にとって良くないので、敏感肌、乾燥肌の人は落としやすい日焼け止めでこすらずやさしく洗うようにしましょう。
日焼け止めの塗り方について
日焼け止めに記載されているSPFの数値は紫外線の防御効果の強さを示す値ですが、この数値に必要な日焼け止めの量は2mg/m2といわれています。
クリーム状にでる日焼け止めはパール粒1個分、液状にでる日焼け止めは1円硬貨1個分をてのひらに取って、額、鼻の上、両頬、顎に分けて置き、そこからまんべんなくていねいに塗り伸ばし、そのあともう一度同じ量を重ねづけます。
日焼け止めに記載されている紫外線防御効果の数値を得るには、これと同じ量を塗らないと効果は得られません。
しかし実際の日焼け止めの使用量は、十分な紫外線防御効果を得るのに必要な量の半分くらいしか塗れていない人が多いと思います。
きちんとした紫外線防御効果を得るには、適切な量を使用することが大切です。しっかり量が必要なので、日焼け止めはテクスチャーの良いものや肌への負担が少ないものを選ぶと良いでしょう。
また顔のほかにもうなじや首などにもしっかり塗りましょう。体に日焼け止めを塗るときは、腕や足など塗るところに日焼け止めを線を引くようにのせて、手のひら全体で円を描くように塗り広げていきます。
このとき日焼け止めがムラにならないように全体的に塗っていきます。
日焼け止めの塗りなおしのやり方について
日焼け止めは朝塗ってそのまま日中は塗りなおさないという人も多いのではないでしょうか。日焼け止めは汗や摩擦などによって落ちてしまうと効果がなくなってしまうので、日焼け止めは汗をかいた時や外出時はこまめに塗りなおしましょう。
頬や鼻、額は汗をかきやすく日焼け止めが落ちやすい場所なので、頬や鼻、額を多めに塗りなおしましょう。
塗りなおしのときは、ファンデーションの上からそのまま塗るとムラになってしまうので、ティッシュやコットンで余分な皮脂を軽くふき取ったあと、パフやスポンジに日焼け止めをとって、オフした部分を中心に伸ばしましょう。
日焼け止めを塗った後は上からフェイスパウダーを重ねましょう。
日焼け止めの塗り方のポイント
・スキンケアをしてから日焼け止めを塗る
日焼け止めを塗るときは、しっかりスキンケアをしてから日焼け止めを塗りましょう。化粧水や乳液でお肌を保湿してから日焼け止めを塗らないと、日焼け止めの伸びが悪くムラができてしまったり、塗る時にぐりぐりと塗り広げて肌への負担となってしまいます。・手のひらで日焼け止めを広げてから塗らない
顔や体に日焼け止めを塗るときに、手のひら全体に日焼け止めを広げてから塗ってしまうと、手のひらに日焼け止めが残ってしまい、きちんとした量を塗布できません。きちんとした紫外線防御効果を得るためには、日焼け止めをしっかり塗らないといけないので、手のひらに伸ばしてから塗るのはやめましょう。・室内にいるときも日焼け止めは塗りましょう
紫外線のうちUV-Aは波長が長く、雲や窓ガラスを通過します。室内だからといって日焼け止めを塗らないでいると、UV-Aを浴びて将来的なしわ、たるみなど光老化の原因となります。室内だからといって気を抜かずに、しっかり日焼け止めを塗って常に紫外線を防御することを意識しましょう。・日焼け止めは冬もしっかり塗りましょう
日焼け止めは日差しが強い夏だけでよいと思っている人もいるかもしれませんが、紫外線は冬も降り注いでいます。冬だからといって油断せずに、1年中紫外線対策は必要です。朝はスキンケアをした後は日焼け止めを塗るクセをつけておきましょう。敏感肌、乾燥肌の人への紫外線の影響、日焼け止めの選び方や塗り方などについてお話しました。
紫外線や日焼け止めの正しい知識を知って、肌あれなど肌トラブルのないお肌をキープし、透明感のある素肌を守っていきましょう。
PROFILE
医師
土方 瑛香
Teruka Hijikata
土方 瑛香
Teruka Hijikata
皮膚科・美容皮膚科医
2010年帝京大学医学部卒業。都内一般外科、呼吸器外科を経て、2020年より都内美容皮膚科に勤務
化粧品成分検定1級、ジュビダームビスタ認定医、ボトックスビスタ認定医
外科専門医、呼吸器外科専門医